珈琲の豆知識

缶コーヒー

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缶コーヒーも嗜好品の一つですから否定する気持ちはありません。

缶コーヒーが好きな方もたくさんおられると思います。

但し缶コーヒーとレギュラーコーヒーが

全く別の飲物であることは理解して頂けたらと思います。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』を参考にさせて頂きます。


「コーヒー飲料などの表示に関する公正競争規約」に基づく区分により、

製品内容量100グラム中の生豆使用量によって、次の3種類に区分される。

コーヒー             5グラム以上

コーヒー飲料          2.5グラム以上5グラム未満

コーヒー入り清涼飲料    1グラム以上2.5グラム未満

製品に乳固形分を3%以上を含むものは

「乳および乳製品の成分規格に関する省令」に基づき「乳飲料」となる。(カフェ・オ・レなど)


いかがですか。100グラム中に5グラムあればコーヒーと呼べるんですね。

ちなみに私は缶コーヒーは全く飲みません。



新規オープン

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知人のTAさんに紹介頂いた店が本日オープンしました。

最近でも喫茶店を始めたいという方が時々話を持って来られます。

今回の方は生活をかけてされるのでなく

仲間の集まる場所の提供を考えておられたので協力させて頂きました。

でも生計の為に始めようと思っている方には

私は開口一番

「やめたほうが良いですよ。」

と答えます。

殆どの方が喫茶店経営に幻想を抱いておられます。

誰にも束縛されずコーヒーの良い香りに包まれ、

常連のお客さんとの会話を楽しむそんな人生を夢見ています。

ところが現実は全く違います。

オープンの時お祝いの花を持ってやってきた友人も

普段は忙しいので滅多に来店しません。

新規のお客さんも来ません。

朝オープンしても掃除がすんだら何もすることがありません。

気が付くともう12時です。

午前中は誰も来なかったという日が続きます。

貯金はどんどん無くなっていきます。

心はいつも暗く、こんな筈じゃ無かったと思う毎日です。

だから私は数字で示してあげます。

1日3万円の売上げがあったとしましょう。

週一休みで月75万円の売上げです。

粗利が60%として45万円です。

そこから10万円の家賃を払うと残り35万円です。

水道光熱費、雑費が月10万円、繁忙時にアルバイトを使うと6.5万円。

もう20万円残っていません。他に何も無くても手取りは20万円無いのです。

その上前提となる1日3万円の売上げは至難の業です。

珈琲や紅茶を1日90杯売らなければいけません。

町中の喫茶店なら来店客は1日30人もいません。

仕方なく皆さん、ランチを始めます。

これも手間がかかるしロスが出るしでなかなかうまくいきません。

ですから生活がかかっている人には絶対勧めません。

すると諦められない人は大手に話をします。

そうしたら担当者がすぐにやって来て

器具は提供、看板も提供、メニューも作ってあげましょう。

さあすぐ始めましょう、ということになります。

そして数ヶ月後には貯金をはたいて借金まで背負ってと悲惨な事になります。

今、喫茶店を始めたいと思っている方はくれぐれも慎重に計画をたてて下さい。

慎重すぎることは決して無いでしょう。



”あるある”のねつ造問題がどんどん大きくなっています。

だまされた腹いせでしょうか。

私は前にも書いた通りだまされた方にも問題ありと思っています。

素人だからテレビで放送したら信じる、というのは駄目だと思います。

政治のトーク番組でも結論をどのあたりにもっていくか台本を作ってあると思えます。

ましてやクイズ番組なんてシナリオ無しでできるはずがありません。

問題を出して最初から最後まで誰も答えられなかったらどうなると思いますか。

冷静に少し考えたらわかることです。

昨年でしたか、コーヒー豆でダイエットというのがありました。

私はこういった番組は見ませんのであとで聞きましたが笑ってしまいました。

コーヒー豆のマンデリンとハワイコナの浅煎りがダイエットに良いそうです。

私の店にもしばらくは多くの方が買いに来られました。

私はその人達に説明してあげました。

コーヒー豆がダイエットに良いのはまんざらの嘘ではありません。

たいした栄養はないからです。

コーヒーの成分が脂肪を(わずか)燃焼させるのも嘘ではないでしょう。

でもそれがすごい力を発揮するなんて思うほうがどうかしています。

それなら薬のレベルということになり

医学界で肥満対策や予防に使っているはずです。

それもマンデリンとハワイコナが良いというのも不思議です。

百歩譲ってそれが正しいとしましょう。

でも多分その成分が他の豆だったら0.0003mgなのが0.0006mg

あるというようなことでしょう。

それを「他の豆の2倍も含まれている」といっても嘘ではありません。

でも常識ではそれを五十歩百歩とか微々たる物と言います。

浅煎り豆というのは焙煎が浅いと言うことでカフェインが多く残っています。

(昨年の9/21 アメリカンコーヒーって薄いコーヒー?で書きました)

だから深煎り豆よりは良いかもしれませんが

やはり少し飲んだからって変わりはないでしょう。

それに豆にはそれぞれに合った煎り方があって

マンデリンの浅煎りはおいしくありません。

マンデリンは苦味が特長の豆です。

それを引き出すには中深煎りが一番です。

話題になった頃インターネットで他の店を見たら

”あ○あ○ダイエットコーヒー”なんて便乗して儲けられるところもあったようです。

でも殆どの良心的な(当たり前)店は私と同じ事を言ったはずです。

ハワイコナはたいしておいしくないのに高い(アメリカ人が作っているから人件費が高い)

からマンデリンがもてはやされました。

でもその少し前からマンデリンは世界的なコーヒーチェーンがメニューに入れ

すごい量を買い占めていました。

一時は品薄状態が続いたものです。

その後にこれをテレビで放送したのですから

私は少し裏がありそうな気がしていました。

視聴者はもっと賢くならなければだめです。

民放にとって神様とは視聴者では無くスポンサーなのです。

でも建前では視聴者の為にと言っています。

そこを見抜けないで怒る方が間違っているのです。



ギフトセット

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お歳暮の時期が来ました。

コーヒーの店を始めて10年になりますがギフトも随分様変わりしてきました。

価格は以前なら3千円、5千円が主流でしたが今では5千円は殆どありません。

5千円を贈っていたところに3千円、3千円のところは2千円、

2千円のところは贈るのをやめる。

こんな感じになったような気がします。

又、内容も変わりました。

ウチのような専門店にはレギュラーコーヒーの詰め合わせを要求されていたのですが、

一昨年ころからドリップバッグと云ってカップの上に置いて湯を注ぐタイプが主流になりました。

割高ですが世の中簡単なほうが好まれるようです。

この先5年、10年したらどんなふうに変わっていくのでしょうか。

皆目見当がつきません。



生豆の重さ

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ブログ.jpg
(コロンビア・エメラルドマウンテンの袋)

生豆は麻袋に入って入荷します。
国によって袋の質やデザインが違います。
又、国によって60kg入りと70kg入りがあります。
どちらにしても重いです。

一度に4〜8袋入ってきます。
これを運送業者の方と運びます。
運び終わると息が乱れます。
握力が無くなります。

でも聞くところによると現地の人はこれを一人で一日中かつぎ、
トラックの上に投げ挙げるそうです。

日本に生まれて幸せでした。



コーヒーの普及

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11世紀にアラビアで始まったコーヒー飲用の習慣は、
1615年のベネチアから急速にヨーロッパ全土へと広がっていきました。
その時にイスラム教徒の飲み物をキリスト教徒が飲む事に抵抗があったそうです。
当時の法王が
「悪魔の飲み物といわれるのに こんなにおいしい。
 これを異教徒にだけ飲ませるのはもったいない。」
と、コーヒーに洗礼を施してキリスト教徒の飲み物として受け入れました。
(キリスト教徒らしいすごく都合の良い理論ですね。
 この性格はスウィフトの桶物語を読めばよく分かりますよ。)

さて一方の日本はというと元禄時代に長崎出島から入ってきました。
しかし日本人には、
「豆を黒く煎ってすりつぶし、砂糖を入れて飲むが、
 焦げ臭くて飲めるものでは無い。」
と、いった感想でした。

日本人には緑茶の文化があり、嗜好に合わなかったようです。
鎖国だけが広まらなかった障害では無かったようです。

本格的に広まりだしたのは、文明開化となった明治時代も半ばを過ぎて
やっとのことだったようです。



コーヒー豆の挽き方で迷っている方もおられると思います。
豆の挽き方には一応常識というものがありカリタ式なら中挽き、サイフォン用なら荒挽きということになっています。
ところが必ずしもそうとは限りません。
なぜなら人によって淹れ方や好みも違うからです。
又、コーヒーメーカー一つをとってもいろんな物ががあり、980円で売っているものから1万円を超える物まであります。
しかし安い物はあまりおすすめできません。
そのわけは安い機械だと、ただ上から熱い湯が落ちるだけでその温度も落ち方も不安定なことが多く 淹れるたびに味が違ったり落ち方が遅いために苦かったり渋かったりするからです。

荒挽きと中挽きの豆をハンドドリップで淹れると荒挽きの方が美味しいのは事実です。
粉が細かいと抽出に時間がかかり濃い味になりますが豆の欠点も出やすく、渋みなどの原因になるからです。
ただし荒挽きの場合、粉をケチると薄くなってしまいますのでたっぷり使う必要があります。
ですからハンドドリップでおいしく飲むためには荒挽きでたくさん粉を使う(1人前の時は約12g)と良いでしょう。
つまり美味しく飲むためには贅沢が必要ということですね。
しかしその味で物足りない感じがする人もおられます。
中には細挽きでちょうど良いと言う人もおられます。
それは人それぞれ好みもあるので当たり前のことでしょう。

当店に初めて買いに来られた方には荒挽きで少量買って頂き、その味がどうかで次回より修正をしたりしています。



初めてのお客様にコーヒーの好みをお尋ねしたら殆どの方が“酸味のないのを”と言われます。なぜでしょうか?
確かに豆によって酸味が特長、苦味が特長と色々ありますが焙煎によってもその味は変わってきます。
例えばブラジル・サントスの生豆を淺煎りにすると酸味が強く深煎りにすると苦味が強く中煎りにすると当然中世的な味になります。そしてその豆の特長を活かす焙煎をすればどの豆も味わい深くおいしいはずなのです。
元来日本人は酸味を嫌いではありません。もちろん個人差はありますが寿司や酢蛸、酢の物など酢を使った食べ物を日本人は好みます。それなのに皆さんがコーヒーの酸味を嫌われるのには訳があります。
実はコーヒーの酸味には2種類あるのです。一つはコーヒー豆が本来持っているおいしい酸味です。そしてもう一つが曲者の酸化した酸味なのです。コーヒー豆は焙煎直後は味がまだ安定せず、2、3日した頃が最も良いのですがその後はどんどん劣化していきます。そして古くなった豆は香りが逃げ油がまわり、酸化して得も言われぬ不味い味となります。そしてそれを飲んだ人が酸っぱいコーヒーはおいしくないと思うのは当然です。店で売れ残った古い豆や買ってから日にちが経った豆は飲まない方が体にも心にも良いでしょう。

店にあるコーヒーが古いかどうか見分ける方法はいくつかあります。
まず一つ目は豆を1〜2粒もらってかじってみることです。古い豆は湿気を吸っていますからカリカリとはしません。
二つ目は豆の表面を見てテカテカしていないか見ることです。古い豆は成分中の油が浮き出て濡れたようになっています。但し淺煎り豆はなかなか出ませんし深煎り豆では最初から出るぐらいまで焼くものもありますから注意してください。
三つ目は信頼できる、豆が良く回転している店で買うことです。そして同じ店でも良く売れる豆とあまり売れない豆がありますから1回の焙煎量など気を遣っているところが良いでしょう。そしてできるだけ少量ずつ買って袋を開けたら密閉できる容器に移して冷蔵庫で保管し早めに使い切るようにしてください。



アメリカンコーヒーは普通のコーヒーをたくさんの湯で薄めに作ったものと思っている方がすごく多いことにびっくりします。
私たちの世代では “ウイスキー、水で割ったらアメリカン”と言う野坂昭如氏のCMの影響も大きいのではと思いますが見た目での錯覚もあるのでしょう。
アメリカンコーヒーは色が薄く紅茶と間違えるような色合いで確かにコーヒーを薄めて作ったようにもみえます。けれども実際は全く違います。
コーヒーの生豆は黄緑色でそれが煎られることによってどんどん色が濃くなっていきます。色が濃くなるにつれて苦味もましていきます。逆に煎りが浅ければ色も薄茶色で苦味は弱く酸味が強いものになります。
つまりアメリカンコーヒーとはシナモンローストと呼ばれる浅煎り豆で点てたコーヒーのことなのです。このコーヒーは浅煎りのため色は薄く苦味は弱く逆に酸味は強いものになります。苦味が弱いため比較的飲み易いのですが意外やカフェイン量は多いのです。コーヒーの成分であるカフェインは焙煎によってごんどん減っていくのですが浅煎り豆は焙煎が浅い為カフェインが充分残っているのです。
朝、目覚めの一杯にはカフェインの多いアメリカンコーヒーをどうぞ。


携帯裕子.jpg

コーヒーの生豆です



自家焙煎コーヒー専門店を開業して10年が経ちました。その間にコーヒーの大好きな人、コーヒーが飲めない人、色んな人に出会いましたが殆どの人はコーヒーについての知識が無いと言うことが分かりました。子供の時からコーヒー牛乳(今は乳飲料)やコーヒーガム、コーヒー飴など慣れ親しんできたコーヒーですが、しかしてその実体は?と聞かれれば多くの方が困惑されるのではと思います。開業2,3年の頃、依頼を受けて公民館等でコーヒー教室を開いたら私の浅い知識に感心して頂き、少し戸惑ったものです。逆に言えば少しコーヒーについてかじったらすぐ偉そうな顔をして知識をひけらかす事が出来るのです。このブログでは時々、意外と知られていないコーヒーの真実についてお話しさせて頂こうと思います。乞うご期待下さい。

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先月行った祖谷渓の小便小僧です



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