恐怖の宴会

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飲み始めて4時間経った頃、玄関で声がしてそのまま勝手に上がって来て私たちが飲んでいる部屋のふすまを開けて入ってきたのはT講師でした。
30歳過ぎのT講師はF教授の飲み仲間だったのです。
仕切り直しで4人の宴会が始まりました。
救いは新しい人が来たので3回目の肴が来たことだけでした。
でもその皿の上に食べ物があったのは2,3分の間だけでしたけれど.........
教授も講師も煙草は何とエコーでした。
学生でエコーを吸っている者はいかに貧乏立命といわれる私たちにも殆どいませんでした。
でも煙草が切れるとエコーを買ってきてくれと云われ、私たちだけハイライトを吸うわけにもいかず皆でエコーを吸いました。
エコーを吸っているうちに喉がおかしくなってきました。何か喉につっかえたような感じで変なのです。

合成酒と安煙草と空腹のトリプルパンチと戦って7時間が経ちました。(午後6時)
電話が鳴り教授が「おお、来い。」と誰かに云ってましたが酔いと頭痛と喉の痛みと空腹でもうろう状態の私にはどうでも良いことでした。
しかし10分後入ってきたのは何と今度は学部長でした。
学部長から色々話しかけられ緊張で酔いは吹っ飛んでいきました。
単位取得に四苦八苦していた私は学部長に就職も決まっているので何とか卒業させてくださいと必死でお願いしました。
学部長はにやにやしながら「まあ追試の1つぐらいは受けた方が思い出になるぞ。」とのたまわれるのでした。
恐怖の宴会が終わったのは日付が変わった午前1時でした..............
14時間の拷問は翌日曜日の存在を私の人生から奪い去ったのです。

月曜日、大学の学生課へ入室したとき奥の方へ学部長が偶然おられ、瞬間目が合いました。
学部長は私を指さし周囲にいた職員達に大きな声で「あの学生がさっき話した、Fさんの家で14時間飲んだ奴だ。」と言い放ったのです。
私はその部屋から跳んで逃げました。