映画村その7

今まで映画村でのエピソードを色々書きましたがまだまだ書き足りません。

何かと話題になる杉田かおるさんの小学生時代も映画村で見ました。

確か水戸黄門にゲスト出演だったと思いますが

他の学芸会的な子役とは全く違って上手でした。

俳優会館の方から背の高い女性が歩いて来ていると思うと

近くで分かったら壇ふみさんでした。

水戸黄門の格さんをしていた横内正さんは気さくな人でバイト学生にも話しかけてくれました。

満州で生まれ帰国で苦労したことも話してくれました。

一昨年離婚問題で騒がれ、色々言われていましたが

私はこの人は良い人だと思っています。

上村香子さん(浜畑賢吉さんの奥さん)は客からしつこいほど写真を撮られても

いやな顔をせず、にっこり笑ってポーズをとっていました。

風車の弥七の撮影ももちろん見ました。

中谷一郎さんが跳び上がる格好をしたら”ハイカット!”

着地する格好をしたら”ハイカット!”でした。

あとはスタントマンの出番でした。

大道具係の小原さんという方と知り合いになりました。

いつも行く食堂の常連さんだったからです。

小原さんは仕事が終わるとその”むらさき”という店に寄り

4人座れるカウンターの一番奥に陣取っていました。

そしてビールを1本、熱燗を1本と少しのつまみを注文します。

そしてまずビール2杯を飲み、それから熱燗をちびりちびり、

最後に残しておいたビールを飲んで終わりです。

私は何故か可愛がってもらいました。

バイトで働いていたのを遠くから見ていたのでしょう。

店の人に「頑張って一生懸命働いとったで。」と話しているのが聞こえました。

一度小原さんが最後のビールを飲むと

「おい、ついて来い。」

と近くの割烹へ連れて行ってもらいました。

そこで鮎の塩焼きがでてそこの女将さんが箸で身をほぐし、

頭を取って尻尾を引っ張ると骨がするりと抜けるのを実演してもらいました。

天然でないとできないと言われたのを覚えています。

小原さんには申し訳ない思い出があります。

卒業式前夜、友人たちと最後に”むらさき”へ行きました。

すると小原さんがおられたので今までのお礼とお別れの挨拶をしました。

すると小原さんはすぐ店を出て行ったかと思うと近くの大映通りにある漬物屋で

贈答用の漬物を買ってきて私にくれたのです。

ところがそのあと友人たちと大阪へ行って飲み、

その店に漬物と小原さんの連絡先を書いた紙を忘れてしまいました。

そしてそのままになってしまいました、

今でも思い出すたび他人の行為を無にし、礼も書けなかった自分を恥じてしまいます。