お寺の2階のだだっ広い広間に友人と2人で住むようになりました。
広間の端と端とに住みましたから
カーテンだけの仕切りとは言え充分にプライバシーが保てます。
でも月に1回だけ部屋を明け渡さなければいけません。
日曜日にその寺の檀家が集まりお経を読むのです。
その日は朝10時までに荷物を隅に固め、
カーテンを開けて外出します。
下宿のおばあさんからは一緒にお経を読むよう勧められましたが
そんな気は全くありませんのでさっさと外出します。
その日は他の友人の下宿で過ごします。
夕方4時過ぎに下宿に戻ると余った仕出し弁当を置いてあります。
仕送り前など涙が出るほど嬉しかったものです。
4年なので就職活動が始まり友人が帰省すると一人きりになり
広くて大きな仏壇があるので夜はとても不気味でした。
京都で辛かったのは夏の暑さです。
夏休みになるとすぐ帰省していたのですが
4年の夏は盆前まで帰ることができませんでした。
就職前に車の免許を取ろうと4月に自動車学校に入校しました。
するとすごく混んでいて3日に1度しか乗れません。
夏休みになっても仮免までもいけません。
仕方なく下宿に残り、3日に1度自動車学校に通いました。
他にすることも無く(もちろん勉強などしません)映画村でアルバイトをしながら過ごしました。
でも京都の夏は半端ではありません。
それなのに扇風機も持っていません。
団扇だけが頼りです。
本を読んでいるとあごからポタポタと汗が落ちていました。
若かったから耐えられたのでしょう。
今では絶対不可能です。
盆前にある程度めどがついたので逃げるように帰省しました。
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