酸っぱいコーヒーは嫌い?

初めてのお客様にコーヒーの好みをお尋ねしたら殆どの方が“酸味のないのを”と言われます。なぜでしょうか?
確かに豆によって酸味が特長、苦味が特長と色々ありますが焙煎によってもその味は変わってきます。
例えばブラジル・サントスの生豆を淺煎りにすると酸味が強く深煎りにすると苦味が強く中煎りにすると当然中世的な味になります。そしてその豆の特長を活かす焙煎をすればどの豆も味わい深くおいしいはずなのです。
元来日本人は酸味を嫌いではありません。もちろん個人差はありますが寿司や酢蛸、酢の物など酢を使った食べ物を日本人は好みます。それなのに皆さんがコーヒーの酸味を嫌われるのには訳があります。
実はコーヒーの酸味には2種類あるのです。一つはコーヒー豆が本来持っているおいしい酸味です。そしてもう一つが曲者の酸化した酸味なのです。コーヒー豆は焙煎直後は味がまだ安定せず、2、3日した頃が最も良いのですがその後はどんどん劣化していきます。そして古くなった豆は香りが逃げ油がまわり、酸化して得も言われぬ不味い味となります。そしてそれを飲んだ人が酸っぱいコーヒーはおいしくないと思うのは当然です。店で売れ残った古い豆や買ってから日にちが経った豆は飲まない方が体にも心にも良いでしょう。

店にあるコーヒーが古いかどうか見分ける方法はいくつかあります。
まず一つ目は豆を1〜2粒もらってかじってみることです。古い豆は湿気を吸っていますからカリカリとはしません。
二つ目は豆の表面を見てテカテカしていないか見ることです。古い豆は成分中の油が浮き出て濡れたようになっています。但し淺煎り豆はなかなか出ませんし深煎り豆では最初から出るぐらいまで焼くものもありますから注意してください。
三つ目は信頼できる、豆が良く回転している店で買うことです。そして同じ店でも良く売れる豆とあまり売れない豆がありますから1回の焙煎量など気を遣っているところが良いでしょう。そしてできるだけ少量ずつ買って袋を開けたら密閉できる容器に移して冷蔵庫で保管し早めに使い切るようにしてください。