清酒(日本酒)の販売量が落ち込んでいるそうです。
30年前の約半分だそうです。
当然と言えば当然でしょう。
理由はいくつもあると思います。
1.若い人が飲まなくなった。
30年前と言えば私の学生時代。
仲間と集まってはしょっちゅう酒盛りをしていました。
一升瓶を空にしながら徹夜で議論をしていました。
こういう姿はお洒落で無く今の学生は殆どしないようです。
(一気飲みのような勿体ない飲み方は昔はしませんでした。)
2.焼酎が広く飲まれるようになった。
昔は焼酎は九州で飲まれるのが殆どでした。
本州では安いので貧乏人が飲むものというイメージがありました。
(本当は体にも良く酔い覚めも良いので隠れ焼酎ファンはいました。)
3.日本酒メーカーの怠慢。
利益優先主義からか醸造用アルコールをふんだんに使って原価を抑え、
味では無くCMの力や景品で売ろうとしてきました。
瓶の色やデザインに凝って若い女性に売り込もうとしたりして
美味しい酒を安く売ろうという気概が見られません。
蔵元もどんどん減っているようです。
ドイツのビール、フランスのワイン、英国のスコッチ等
どこの国も国家が厳しい基準を設け品質を守りつつ
メーカーを育成しているのに日本ではどうだったでしょうか。
今は廃止されましたが以前は2級酒、1級酒、特級酒というような区分けがありました。
これについて殆どの人が上になるほど良い酒だと思っていました。
確かに2級よりは1級、1級よりは特級の方が値段が高かったからです。
でもこれには裏があり、メーカーが何も申請しなかったらすべて2級なのです。
メーカーがこの酒は1級で売ろうと思い申請したらまず審査を通ります。
なぜならその方が支払う税金が増えるので国税庁が拒否するはずが無いからです。
ですから有名メーカーの1級より地方の蔵元の2級のほうがおいしいというようなねじれも
当然起こりました。
このような曖昧な基準だから問題が起こって当然です。
そしてこの区分が廃止されても大手メーカーが2級を佳撰、1級を上撰、特級を特撰と言い換えたら
他メーカーも右へ倣えという、本当に何とも言えないような業界体質を見せてくれました。
日本酒をこよなく愛する者として日本人が世界に誇れる清酒文化が発展していく事を
願ってやみません。
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