学生マンション

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広島に住む知人の長男が岡大に進学が決まり、

住む部屋を探しに来たのでつきあいました。

鹿田町周辺の学生コーポを数ヶ所見て回りました。

驚きました。

私の時代とは本当に隔世の感です。

いわゆる1Kマンションですがうらやましくなりました。

バス・トイレ・キッチン付きの綺麗な部屋で相場が5万円です。

それに礼金、敷金、仲介料がいるので今月の支払いは30万円です。

昔と桁が違います。

昔話をしたら若い人に厭がられるかもしれませんが

笑い話みたいに思ってもらえればと思います。

30年前は学生マンションでは無く学生下宿と言って

”間借り”が主流でした。

入学時に入った下宿は京都嵐山線の太秦駅の隣で

四畳の部屋で隣とは襖で仕切っているだけです。

朝、6時前に嵐電のけたたましい音で起こされます。

向かいには消防署があり、夜中にサイレンの音を響かせて

消防車や救急車が出動します。

でも下宿代は5千円でした。

トイレは当然共同で風呂は銭湯に行きます。

料理は部屋で使える電熱器だけでつくる即席ラーメンが主でした。

4年になる時、引っ越しました。

下宿には敷金、礼金などは無く

荷物も少ないから簡単に移れました。

落ち着く先は寺の広間です。

八十畳ある大広間の隅をカーテンで八畳ほど仕切りそこに住むのです。

下宿代は3千円でそこのお婆さんの小遣いでした。

ただし月に1回の集会時には荷物を隅に片づけカーテンを開けて

集会場に早変わりです。

近所のお年寄りが集まり、お経を唱えて説法を聞きます。

参加したらと云われましたが若いときに興味があるはずもありません。

1日友人の下宿等で過ごします。

夕方下宿に戻ると残った弁当が置いてあります。

冷たい弁当がとてもうれしく喜んで食べていました。