焙煎コーヒーメーカー

ネット販売でイーカフェという焙煎コーヒーメーカーが話題になっているようです。

これは生豆を入れると自動的に

豆を焙煎、挽き、ドリップまでしてくれるというものです。

こういったものは以前からありましたがここにきてネットで評判が広がっています。

確かにコーヒー豆は鮮度が命です。

どんなに良い豆でも焙煎から2週間も経てば味が落ちてきます。

ですから煎りたての豆を使えると言うのは魅力的です。

ただし説明書を読むと少し間違いもあるようなので記しておきます。

焙煎直後の豆のガスについて

ガス釜で焙煎したらガスの臭いがつくので電気で焙煎するから問題無しと書かれています。

ガスでの焙煎はガスコンロに金網を置いて焙煎するのではありませんから

ガスの臭いがつくことはありません。

焙煎仕立ての豆からは炭酸ガスがどんどん放出されます。

そのため豆がまだ安定していないので味が定まらないのです。

ですから1〜2日置いたものがおいしいと言われているのです。

又、珈琲店でガスを抜くのは不特定多数の人に豆を売る場合

袋が膨らむ理由をきちんと説明しきれないからです。

私も今までに何百回と説明してきましたがこれは永遠に続くはずです。

それは豆からガスが出ると言うことが広く認知されていないからです。

大手が宣伝すれば良いのでしょうが

あまり言うと過去の販売方法と矛盾してきます。

皆さんもスーパーに並んだレギュラーコーヒーのパッケージで

直方体のガチガチに固くした物を見られたことがあると思います。

これは挽いてから1週間位放置してガスが抜けきってからパッケージしています。

当然香りも殆ど抜けきっています。

少し話が脱線しましたが古い豆よりは煎りたての豆が良いことは当然です。

ですから3万円程度の投資が惜しくない方には

おいしいコーヒーを飲む方法の一つとしてお薦めしても良いかと思います。

ただし、私たち焙煎業者のウリは品質と鮮度だけでは無く

焙煎技術も大きなウエートを占めています。

3万円の器械で自動的に焙煎した豆と

私たちが大きな釜で時間をかけてじっくりと焙煎した豆が同一レベルではありえません。

豆は産地やグレードによって形も大きさもさまざまです。

私は豆によって温度、時間も変えています。

煎り始め。途中、仕上げもすべてガス圧を変えます。

このことはホームベーカりで焼いたパンと

町の職人が焼いたパンが違うことを考えていただければ 

理解して頂けると思います。