太宰と芥川

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春がそこまで来ています。

春という言葉で春風駘蕩という言葉をを連想しました。

芥川龍之介が書いた”在りし日の大石内蔵助”で

内蔵助が討ち入り成就後切腹の日が来るまでの気持ちをこう表していました。

でも彼の本当の気持ちは目標を成し遂げたあと、

目標が無くなった虚しさを感じていたと芥川は書いていました。

人間心理を鋭く突いていますがやはり本質的に彼は他人を冷めた目で、

しかも意地の悪い目で見ていたのでしょう。

他人を裏切り続け他人に迷惑を掛け続け

それでも人間愛を書き続けた太宰と正反対です。

”走れメロス”を芥川が書いたらメロスは戻って来ず

王様は悲しい顔で

「所詮、人間とはこんなものだ。」

と言って処刑させていたでしょう。

だから太宰は今でも多くの(迷惑を掛けられたことの無い)人に

愛されているのでしょう。