3月になりました。
大手を中心としてコーヒー豆の値上げが実施されました。
でもこの2〜3ヶ月、コーヒー豆値上げの報道が目に余る程です。
毎日のようにお客様からいつ値上げするのか聞かれます。
インタビューで もうコーヒーを飲めなくなるとか
喫茶店の廃業が相次ぐだとか
あまりにもおおげさすぎます。
喫茶店の衰退はもっと別の次元の問題です。
週刊ダイ○モン○と言えば今までハイレベルで信頼性の高い雑誌だと信じ
書いてあることはすべて本当だと思っていました。
でもそれに書いてあるコーヒー豆暴騰に関する記事を読んで
一挙に疑心暗鬼になりました。
記事は数字を挙げて論理的な内容です。
私が業界のことを知らなければなるほどとうなずくものです。
でもそこにあげてある数字が実際とはかけはなれています。
ある喫茶店の例をあげて
「1杯のコーヒーは400円で、原価は今の100円から13円上昇する。
これでは利益は出ない。」とあります。
まず問題は原価が100円だというところです。
当店が喫茶店に卸している豆の売価は100g300円が殆どです。
これを1杯あたりの価格にすれば30円です。
ペーパーフィルターは1枚3円も考えれば十分です。
湯をわかすガス代などは光熱費ですから水の値段は知れています。
ミルクとシュガーも今は殆どの人がブラックですから
5〜10円考えれば多いくらいです。
トータルしても原価は40円にしかなりません。
そしてコーヒー豆を20%値上げしたら6円上がります。
売価から言えば1.5%の値上がりです。
つまり雑誌に書いてある基本的な数字が違うのですから
論法自体が成り立ちません。
13円の値上がりを10〜20%だと考えたら
100g650〜1300円の豆を買っているようです。
私が知っている範囲には
そんな高い豆を使っている喫茶店はありません。
ホテルの高い喫茶コーナーでも逆に1杯20円くらいの安い豆を使っています。
考えてみたら雑誌編集者やライターが
取材する業界の専門知識を持っているはずはないので
取材先から聞いたことを丸呑みして書くようになります。
それでも400円の売価で
100円の原価が113円になったら利益が出ないとは
少し考えが弱い気がするのですが
言われる通りを書いていたら思考回路も停止するようです。
これからは他業界の話も眉に唾して読むようにしましょう。
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