残留農薬

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4月下旬から5月上旬にかけて

エチオピア産、イエメン産コーヒー生豆から

食品衛生法で定める基準値を超える残留農薬が検出されました。

エチオピアといえば有名なモカ、

イエメンは高級豆のモカ・マタリですが

業界では入荷量や価格で影響が出ています。

不安に思われる人も多いでしょうが

現在出回っている豆に仮に含まれていたとしても

飲んでも影響はないようです。

検出された成分はクロルデンとヘプタクロルですが

1日の摂取許容量以下であればまず害はありません。

クロルデンはコーヒー豆に個別の基準値が設定されていないので

一律基準(0.01ppm)が適用されますが、

たとえば米やにんじんには0.02ppmの基準値が設定されています。

クロルデンの一日あたり許容量は体重1kgあたり0.0005mgですから

体重60kgの人であれば毎日1kgのコーヒー豆を摂取しても健康には影響ありません。

ヘプタクロルも個別基準が無いので一律基準(0.01ppm)が適用されますが、

アーモンドには10ppmの基準値が設定されています。

ヘプタクロルの一日あたり許容量は体重1kgあたり0.0001mgですから

体重60kgの人であれば毎日43kgのコーヒー豆を摂取しても健康には影響ありません。

一日20杯飲む人の量が200gですから先ず問題にはなりません。

ただこういう問題が起こると

有機栽培コーヒーなどの需要がぐっとあがることになりそうです。

そこにも少し問題があります。

それは有機栽培コーヒーに問題があるのでは無く

その認定をもらうのにお金がかかりすぎることです。

豆自体の価格は農薬栽培コーヒーとさほど変わらないのに

有機栽培を謳った製品になると価格が跳ね上がってしまうのです。

こういうネガティブな事をいう販売店はあまりいないでしょうが

適正価格とは言えない価格で販売することにためらってしまい

他店のHPで大々的に有機栽培コーヒーを販売していても

中々踏み切れないでいます。



味覚

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コーヒーは嗜好品です。

その好みは当然人によってさまざまです。

これがおいしい、これが不味いは人によって違いますから

多数決によってより多くの人がおいしいというものが

世の中でおいしいと認知されます。

それはそれで良いので

より多くの人からおいしいと言われるコーヒーを作るのが私の仕事です。

とjころが厄介なのは同じ人でも好みが変わることです。

年が経つにつれて徐々に変わっていくのなら問題ありませんが

日によって、時間によって、気分によって、食べ物によって

他人の意見によって変わるので対応するのは至難の業です。

以前ある喫茶店のオープンに立ち会った時のことです。

オープン前に色々試してもらい、ある定番のブレンドに決定しました。

そして2週間くらいそのブレンドを納品していたら

突然電話がかかってきて

「今回のコーヒーは苦すぎる。今までのと全く違う。

私だけでなく皆も言っている。」

と言われました。

慌てて飛んで行き、そこで飲んでみましたが問題ありません。

でも納得してもらえないのでそのブレンドの配合を変え

少し柔らかめの味に変えて持っていきました。

するとその人は

「これ、これ。これがオープン前に飲んだ味だ。」

と言います。

その配合のブレンドを作ったのは今回が初めてです。

人の味覚はいい加減なもので一人が自信をもって言い切れば

他の人は

「そう言われればそんな気がする。」

となってしまいます。

その店にはそれからそこだけのブレンドをずっと持って行くようになりました。



焙煎コーヒーメーカー

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ネット販売でイーカフェという焙煎コーヒーメーカーが話題になっているようです。

これは生豆を入れると自動的に

豆を焙煎、挽き、ドリップまでしてくれるというものです。

こういったものは以前からありましたがここにきてネットで評判が広がっています。

確かにコーヒー豆は鮮度が命です。

どんなに良い豆でも焙煎から2週間も経てば味が落ちてきます。

ですから煎りたての豆を使えると言うのは魅力的です。

ただし説明書を読むと少し間違いもあるようなので記しておきます。

焙煎直後の豆のガスについて

ガス釜で焙煎したらガスの臭いがつくので電気で焙煎するから問題無しと書かれています。

ガスでの焙煎はガスコンロに金網を置いて焙煎するのではありませんから

ガスの臭いがつくことはありません。

焙煎仕立ての豆からは炭酸ガスがどんどん放出されます。

そのため豆がまだ安定していないので味が定まらないのです。

ですから1〜2日置いたものがおいしいと言われているのです。

又、珈琲店でガスを抜くのは不特定多数の人に豆を売る場合

袋が膨らむ理由をきちんと説明しきれないからです。

私も今までに何百回と説明してきましたがこれは永遠に続くはずです。

それは豆からガスが出ると言うことが広く認知されていないからです。

大手が宣伝すれば良いのでしょうが

あまり言うと過去の販売方法と矛盾してきます。

皆さんもスーパーに並んだレギュラーコーヒーのパッケージで

直方体のガチガチに固くした物を見られたことがあると思います。

これは挽いてから1週間位放置してガスが抜けきってからパッケージしています。

当然香りも殆ど抜けきっています。

少し話が脱線しましたが古い豆よりは煎りたての豆が良いことは当然です。

ですから3万円程度の投資が惜しくない方には

おいしいコーヒーを飲む方法の一つとしてお薦めしても良いかと思います。

ただし、私たち焙煎業者のウリは品質と鮮度だけでは無く

焙煎技術も大きなウエートを占めています。

3万円の器械で自動的に焙煎した豆と

私たちが大きな釜で時間をかけてじっくりと焙煎した豆が同一レベルではありえません。

豆は産地やグレードによって形も大きさもさまざまです。

私は豆によって温度、時間も変えています。

煎り始め。途中、仕上げもすべてガス圧を変えます。

このことはホームベーカりで焼いたパンと

町の職人が焼いたパンが違うことを考えていただければ 

理解して頂けると思います。



異物混入

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以前にも書きましたがコーヒーの生豆はそれぞれの国から

麻袋に入れられてきます。

国によってブラジルは60kg、コロンビアhは70kgというように決まっています。

でもその袋の中は100%コーヒー豆ではありません。

その中には色んな異物が入っています。

最も多いのが小石です。

これはコロンビアやグァテマラに目立ちます。

ブラジルではトウモロコシの粒がよく見られます。

でもひどいのは金属片や釘などが入っていることもあります。

これらをハンドピックで取り除きます。

この作業は大変です。

見落としたら異物混入ということで

謝罪会見をしなければならなくなるかもしれません。

まあこれは冗談ですが

現地で意図的に入れているわけでは無いと思っています。

でも以前一袋から100個以上の小石が出たことがあります。

これなんかは現地でもわかっていたんじゃないかと勘繰りたくなりました。

以前知り合いの鮮魚のバイヤーから

韓国から輸入した魚の肛門に詰められた古い錘を見せられたことがあります。

重量を増やして価格を上げるあくどいやり方ですが

こんなことを一部の人間がすることで、その国のイメージが損なわれてしまいます。



粉がセットできましたらドリッパーを軽くたたいて

粉の上が平らになるようにしてください。

薬缶で湯を沸騰させしばらく待ちます。(カルキを完全に飛ばします)

沸騰した湯は少し冷まさなければいけません。

沸騰してぐらぐら沸いている湯を使うと酸味が出る原因となります。

その為にも薬缶から細口ポットに移して温度を下げます。

湯の適温は85℃〜90℃ぐらいですがこれも目安ですから

あまり神経質になる必要はありません。

以前水温計を買って温度を計りながらドリップする人を見ましたが

ここまでいくと”オタク”でしょう。

適温に下がった湯を粉が全体的に湿るぐらい注ぎます。

20〜30秒くらい待ちます。その間に粉が膨らんできます。

見ていて気持ちが良いぐらいぷうーと膨らんできます。

その膨らんだ粉の中心から端に向かい渦巻きを描くように

ゆっくりと細く湯を落としていきます。

そしてドリッパーに溜まった湯が全部落ちきらないうちに

次の湯を同様に落としていきます。

2,3度に分けてこれを繰り返し必要量が落ちたら

ドリッパーをさっとはずします。

このときドリッパーの中にコーヒー液があってもそれは捨てて下さい。

勿体無いと思われるかも知れませんがこの残った液の中には

色んな悪い要素が残っています。

おいしく飲むために心を鬼(?)にして捨ててください。

以上を行う間に気温や段取りによっては

出来上がったコーヒーが少し冷めていることもあります。

そういう時にはサーバーを火にかけてさっと温めても結構です。

でも絶対に沸騰させないでください。

そして出来上がったコーヒーを予め湯を入れて温めておいた

コーヒーカップに注ぎます。

後はおいしく飲むだけです。

飲み方に規則はありません。

ブラックで飲まなければ駄目だ。

最初はブラックで、途中でミルクを入れ

最後は砂糖をいれて3種類の味を楽しめ。

など、色々言う人がいますが

コーヒーは嗜好品です。

自分の好きなように、

自分が最もおいしいと思えるように飲んでください。



いよいよドリップに入ります。

コーヒーサーバーの上にドリッパーを載せます。

サーバー、ドリッパーとも、作る量に適した大きさにしてください。

サーバーには湯を入れて温めておいてください。

ドリッパーにペーパーフィルターをセットします。

ペーパーフィルターは下部と片端の合わせ部分を裏表に折り返してください。

この事は常識かと思っていましたが意外にご存知無い方がおられました。

折り返す理由ですが合わせ部分は糊など接着剤は使われてなく

プレスによって接着されています。

ですから折らずに使っていて合わせ部分が剥がれると粉が落ちてしまうからです。

折ってあれば例え剥がれても粉が落ちることはありません。

それとコーヒーメーカーによってはドリッパー部分の大きさが

ぴったりに造ってあるものがあります。

これなど折らずに使うと上がはみ出てしまい

ふたを閉めたときに不都合が生じるものもあります。

次にコーヒー粉を人数分入れます。

基本は1人分がメジャーカップ1杯(10g)ですが

自分で適量を把握していただくことをお勧めします。

当店のコーヒー豆は比較的浅煎りのため中間的な味のもので

メジャーカップに12g入ります。

この意味がわからない方のために少し脱線して説明します。

コーヒー豆は同じ豆でも浅く煎れば軽い味になり、

深く煎れば苦い味になります。

それと同時に深く煎れば煎るほど豆から水分が飛び軽くなってきます。

同じ体積でも深く煎った豆は軽いのです。

(普通の石と火山噴火でできた軽石を想像してみてください。)

ですから深煎りの豆はメジャーカップ1杯が8gで

浅煎りの豆は12gといったことが起きるのです。

私は今まで書いたように浅煎りの豆を荒挽きでたっぷり12g使っています。

少しの贅沢で随分おいしく飲めます。

それから一度にたくさん作る場合粉の量は減らすことができます。

1人分は10gですが10人分は70gぐらいでも大丈夫です。

こういった目安を自分なりに作っていただけたら良いでしょう。



コーヒーメーカーよりもおいしく飲みたいとなったらハンドドリップです。

これにはペーパーフィルターが一般的です。

ネルフィルターの方がおいしいと言われますが

これははっきり言ってとても手間がかかります。

使用後の粉の処理やフィルターは湿らせて冷蔵庫で保管するなど

殆どの方は途中で挫折されます。

ペーパードリップでも十分おいしく飲めますから

時間と心に余裕の無い方はやめたほうが良いでしょう。

ペーパードリップには写真のような細口ポットが必要です。

ステンレス製なので少し値段が高く5500円定価(税別)です。

細口ポット.jpg

それとペーパーフィルターにも気を付けてください。

意外と気にせず安売りの物を買われる人が多いのですが

品質で味にも差が出てきます。

40枚とか100枚単位で売っていますが

安いものは紙が薄いことが多いので

ナイロン袋に入った物を横から見てください。

高い物より平べったいのは1枚当りが薄いから

100枚重ねると随分厚みに差がでてくるのです。

紙が薄いとドリップした時、さっと落ちるので

味気ないコクの無い仕上がりになります。

逆に以前見たもので ドリップしてもすごく時間がかかる物がありました。

フィルターに溜まった湯がなかなか落ちないのです。

これなどフィルターの形をしているだけで

全く適さない品質の紙を使っていました。



おいしくて新鮮なコーヒー豆が準備できましたので

いよいよドリップですがこれにはいくつか方法があります。

一番普及しているのがコーヒーメーカーでしょう。

でもこれには本当にピンからキリまであります。

これについても(2006年10月2日のブログ”豆は荒挽きがおいしい?”)

に書いてますのでご参照ください。

そして高いコーヒーメーカーでも浄水機能など

付加価値で高いものもありますから良く見極めてください。

それから気をつけて頂きたいのが

家電量販店で家電メーカーの物を買うときです。

時々廃番の商品やチラシ商品を安売りすることがあります。

通常5800円の品が3800円になったりします。

それはそれで良いのですが問題はサーバーです。

コーヒーメーカーのトラブルで多いのは器械の故障よりも

ガラスサーバーを割ることです。

買った翌日に割る方もおられます。

そうしたらサーバーを買わなければいけませんが

通常店に在庫は無く、取り寄せて貰う事になります。

そうすると最低でも4、5日はかかってしまいます。

その上、そのサーバーがメーカー毎、商品毎に形が違うため代用ができず

なおかつ価格が2000円を越すことがざらです。

本体全部を安売りすることはあっても部品は必ず定価です。

3年ぐらい使っていたら いつ壊れるかも知れないと考え

仕方なく新品に買い換えることがよくあります。

こういった経験は多くの方がお持ちではないでしょうか。

私がお勧めするのはコーヒー器具専門メーカーの

カリタが出しているシンプルな5杯取りのET-102です。

コーヒーメーカー.jpg

これは定価が4800円(税別)と手頃でサーバーも1200円(税別)です。

これで結構おいしく飲めますので買い替える時にはご検討ください。



コーヒー豆をミルで挽いて頂くところまできましたが

その挽き方についてお話します。

ミルによっては目盛りの調節によりメッシュの調整ができますが

普及型の電動ミルは挽く時間によってメッシュが変わってきます。

時間が短いと荒挽きになり長くするにつれて中挽き、細挽きとなります。

本来コーヒーは荒挽きでたっぷり使うのがおいしいのですが

(2006年10月2日のブログ”豆は荒挽きがおいしい?”をご参照ください)

そこは個人の好みもありますので

自分に合った挽きかたを見つけて頂けたらと思います。

なおCM-50のようなプロペラ式のミルでは

細かいところと荒いところができるようです。

ミルを少し傾けて使用すると均一に挽けるようですから

試してみてください。



おいしいコーヒーの入れ方 その1、その2で

良いコーヒー豆を手に入れ万全の保存状態にできました。

次は豆を挽く段階です。

コーヒーミルには色々ありますが大きく分けると手動と電動とになります。

まず手動ですがこれは手挽きコーヒーミルと言われ皆さんも見られたことがあるでしょう。

ミル.jpg

手挽きコーヒーミルは3千円から5千円程度で買えます。

このミルで飲む直前に豆を挽くと部屋にコーヒーの香りが立ち込め

幸せな気分に浸れることでしょう。

折角良い気分になられたのを壊すようで申し訳ありませんが

こういったミルで挽くのはパーフェクトな挽き方ではありません。

と、言うのはこのミルでの挽き方は豆をすりつぶす方法だからです。

豆をすりつぶすと摩擦熱が生じ、

その熱が香りを発散させ品質にも影響を与えるからです。

ですから専門店にあるミルはすりつぶすのでは無く

豆を切る方式の物が多いのです。

但しこれは何十万円もしますので家庭には無理な話です。

でもまあ求道者では無いのですからあまり神経質にならず

雰囲気を楽しんでもらうのも良いと思います。

余談ですが1、2年前に北海道の喫茶店を舞台にしたドラマがあったようです。

その店が手挽きミルを使って豆を挽いていたらしく

全国で手挽きミルブームが起こってしまいました。

うちの店にも手挽きミルを探して何人も来られました。

(全員女性で30歳前後の方)

この時は大手メーカーの生産が追いつかず

品切れ状態が数ヶ月続いたものです。

本当にテレビの怖さを思い知らされました。

次に電動ミルについてお話します。

電動ミル.jpg

電動ミルには独立したもの、コーヒーメーカーに付属したものがあります。

どちらでも良いと思いますがコーヒーメーカーと一体になったものは

コーヒーメーカーが壊れると使いづらくなりますので注意が必要です。

懐事情が許されるならばナイスカットミル(定価2万4千円)をお勧めしますが

写真のCM-50(4800円)でも十分おいしく飲めるでしょう。

ミルが家庭にあると格段に楽しいコーヒーライフが送れます。

ぜひご検討ください。



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